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Japanische Klassiker mit Furigana

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わがまち

わが町

織田 作之助

Lesen Sie わが町 (わがまち) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.840 Zeichen · 186 Bildschirme

Aozora Bunko

つまりは、ベンゲット道路の工事は日給の一ペソ二十五セントだけを考えていては、到底やりとげる事は出来なかったという他吉の口癖が、いつか君枝の皮膚にしみついていたのだろうか。

ベンゲットで砂を噛み、血を吐くくらいの苦しみを苦しんだ、どんな辛さにもへこたれなかった、そして最後まで工事をやり遂げたという想いだけが、他吉の胸にぶら下るただひとつの勲章だと、君枝にもわかっていた。

「文句を言わずに、ただもうせえだい働いたら良えのや。人間は働くために生れて来たのや。らくをしよ思たらあかんぜ」

この日頃の他吉の言葉は、だから、理屈ではなかっただけに、一そう君枝の腑に落ちていたのだった。

無智な他吉は、理屈がうまく言えず、ただもう蝸牛(かたつむり)の触角のように本能的な智慧を動かして、君枝を育てて来たのだが、それで、それなりに、君枝は一筋の道を歩かされて来たとでもいうべきだろうか。

それにしても、たしかに日の丸湯の給料はやすかった。

ナミオ商会では、見習期間の給料が手弁当の二十五円で、二月経つと三十円であった。なお、年二回の昇給のほかに賞与もあり、さらに主任の話によれば、