Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
アド・バルーン
アド・バルーン
織田 作之助
Lesen Sie アド・バルーン von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.390 Zeichen · 53 Bildschirme
それかあらぬか、父は生れたばかりの私の顔をそわそわと覗きこんで、色の白いところ、鼻筋の通ったところ、受け口の気味など、母親似のところばかり探して、何となく苦りきっていたといいます。父は高座へ上ればすぐ自分の顔の色のことを言うくらい色黒で、鼻も平べったい方でした。
その時、母はいいわけするのもあほらしいという顔だったが、一つにはいいわけする口を利く力もないくらい衰弱しきっていて、私に乳を飲ませるのもおぼつかなく、びっくりした産婆が私の口を乳房から引き離した時は、もう母の顔は蝋の色になっていて歯の間から舌の先を出しながら唸っていたそうです。そうして母は死に、阿倍野の葬儀場へ送ったその足で、私は追われるように里子に遣られた。俄かやもめで、それもいたし方ないとはいうものの、ミルクで育たぬわけでもなし、いくら何でも初七日もすまぬうちの里預けは急いだ、やはり父親のあらぬ疑いがせきたてたのであろうか――と、おきみ婆さんから教えられたのは、十五の時でした。おきみ婆さんの言葉はずいぶんうがちすぎていたけれど、私は子供心にうなずいて、さもありなんという早熟た顔をしてみせました。