Japanische Klassiker mit Furigana
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アランとう
アラン島
片山 広子
Lesen Sie アラン島 (アランとう) von 片山 広子 (かたやまひろこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.350 Zeichen · 5 Bildschirme
「ひどく重い荷物だねえ、金がはいつてるんだらう?」「とんでもない、本ばかりさ」「やれやれ、これがみんな金だつたら、今夜ガルウエイで、だんなと二人ですばらしい宴会がやれるんだがなあ」三十分も休んでやうやくのこと、シングは彼に荷物を背負はせて町にたどりついたのである。まだ名もなく、わかいシングは身がるで放浪者のやうでもあつた。
しかし、彼はついにダブリンに落着き、新しく建てられるアイルランド文芸座のためにイエーツやグレゴリイ夫人と共に劇作することになつた。それは一九〇二年ごろである、初めて書いたのが「海に行く騎手」であつた。これは荒い海と闘ふ漁師たちの生活をアラン島の人々の言葉で書いたもの。それを手はじめに「谷かげ」「聖者の泉」「西の人気者」など矢つぎばやに書いたが、あまり丈夫でなかつた彼はひどく健康をいため、一九〇九年、三十七の年、ダブリンの病院で死んだ。病中書いてゐた「悲しみのデヤドラ」は完成しずにをはつた。婚約の女優メリイ・オネールが始終彼を見舞つてゐたが、或る日シングは彼女に「死ぬのはつまらないことだ」と言つて、あとを何も言はなかつた。この言葉はシングの戯曲の中にも出てくる。