Japanische Klassiker mit Furigana
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オランウータン
オランウータン
豊島 与志雄
Lesen Sie オランウータン von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.947 Zeichen · 14 Bildschirme
類人猿という言葉は、へんな響きをもっている。更に、オランウータンという名前は、異様な響きを持っている。そしてその実体――艶のないくすんだ薄い毛並、烱々たる眼光、つき出た口、長い手足、その全体が、人間に似ているばかりでなく、人間の最も下等な何物かを象徴しているのだ。
彼は高い台座の上に、敷物をしいて坐っていた。時々敷物を裏返ししては、蚤か虱かを探しているようだった。それから、のっそりとはい出してきて、鉄格子に四肢でつかまり、見物人たちの方を、没表情な顔付で、ひとわたり見廻して、またのっそりと、座席に戻っていった。ただそれだけのことである。
それが、どうして私を一時間も引止めたのか。
私は知りたかったのだ。
夜遅く、家人の寝静まった頃、私は机から向き返って、室の中を見廻した。そして、両手をかるく握り、その指の甲の方を畳につき、尻をもちあげ、足をたてて、のっそりと匐いだした。
指の甲が痛い。だが、もしそこに鉄格子があったならば、私はそれにつかまり、尻を後に引いて両足をもかけ、私は足指がよく利くのだ、足指で鉄棒をにぎり、そして身体の重みを四肢に托して、鉄格子を力の限り揺ってやったであろう。