Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ひきょうもの

カインの末裔

有島 武郎

Lesen Sie カインの末裔 (ひきょうもの) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.876 Zeichen · 52 Bildschirme

Aozora Bunko

今のようなぜいたくは実は俺しにとっては法外なことだがな。けれどもお前はじめ五人の子を持ってみると、親の心は奇妙なもので先の先まで案じられてならんのだ。……それにお前は、俺しのしつけが悪かったとでもいうのか、生まれつきなのか、お前の今言った理想屋で、てんで俗世間のことには無頓着だからな。たとえばお前が世過ぎのできるだけの仕事にありついたとしても、弟や妹たちにどんなやくざ者ができるか、不仕合わせが持ち上がるかしれたものではないのだ。そうした場合にこの農場にでもはいり込んで土をせせっていればとにもかくにも食いつないでは行けるだろうと思ったのが、こんなめんどうな仕事を始めた俺しの趣意なのだ。……長男となれば、日本では、なんといってもお前にあとの子供たちのめんどうがかかるのだから……」

父の言葉はだんだん本当に落ち着いてしんみりしてきた。

「俺しは元来金のことにかけては不得手至極なほうで、人一倍に苦心をせにゃ人並みの考えが浮かんで来ん。お前たちから見たら、この年をしながら金のことばかり考えていると思うかもしらんが、人が半日で思いつくところを俺しは一日がかりでやっと追いついて行くありさまだから……」