Japanische Klassiker mit Furigana
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カラカラなるうみ
カラカラ鳴る海
小川 未明
Lesen Sie カラカラ鳴る海 (カラカラなるうみ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.659 Zeichen · 12 Bildschirme
老人はみんなを振り返りながら、
「私は、もう幾十年の昔から、この港の内で朝晩送ってきたものだ。この港にはいってくるような船で知らない船は一つもない。たいていの船はみな見覚えがあるばかりでなしに、私よりみんなずっと船の年も若いものばかりだ。古くて今から二十年と上に出る船はあるまい。私の若かったころの船は、もはやたいてい年を取ってしまって、長い航海の役にはたたなくなったとみえる。そしていつとなしにこの港へもその姿を見せなくなってしまった。ごく若いのはやっと半年から一年、二年というようなのが、この中にまじっている。この港へはいってくるほどの船で私の顔を知らないものはない。みんなきっと一度は私にあいさつをして水をいれるなり石炭を積むなりするにきまっている。私はまたその船をよく覚えている。この船はどこの国の船だかということをよく知っている。沖が荒れているので、このとおりみんなこの港にはいってきたのだ。おまえたちもなにかと、頼まれたりしんせつに世話をしてやるがいい。お天気になるまでは、みんなこの港の内に滞在していることだろうから……。」と、老人はいいました。