Japanische Klassiker mit Furigana
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カンカンむしさつじんじけん
カンカン虫殺人事件
大阪 圭吉
Lesen Sie カンカン虫殺人事件 (カンカンむしさつじんじけん) von 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.237 Zeichen · 21 Bildschirme
喬介は、矢島の肩に手を掛けながら、
『君。もう一つ訊くがね。工場の裏で二人に逢った時に、何故話を丸くしないでこんな酷い事をして了ったのかね?』
喬介の質問に、キッと顔を挙げて矢島は、自棄糞に高い声で喋り出した。
『こうなりゃあ、何も彼もぶちまけちまうよ。三年前まで二人はあっしと一緒に天祥丸に乗り組んでいたんだ。ところが丁度天祥丸がまだ新品で南支那へ遠航をやってた時だ。この前の船長で、しこたまこれを持ってた柿沼って野郎を、あっしが暴風の晩に海ん中へ叩ッ込んで、ユダみてえに掴み込んでやがった金をすっかりひったくったのを二人が嗅ぎ付けて了ったんだ。そ奴をあの晩ゴタゴタ並べて強請りに来たんだ。だから片付けちまったんだ。只、それだけさ。』
『いやどうも、色々有り難う。』
喬介はそう言って、警官に眼で合図した。
喬介は、重苦しい冬の海を見詰めながら語り始めた。
『どうして源之助も殺されていると言うことが判ったのかだって? そりゃあ君、前後の事情を考え合せて、殆ど直感的にそう推定したんさ。すると君は、じゃあ何故源之助の屍体の沈められた場所が、あんなに簡単に判ったかって言うだろう。