Japanische Klassiker mit Furigana
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ガラマサどん
ガラマサどん
佐々木 邦
Lesen Sie ガラマサどん von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 99.079 Zeichen · 202 Bildschirme
「度胸の悪い男だ」
「やります」
「又しかしだろう?」
「いや、やる以上はうまくやりますよ」
「何うやる?」
「止めて置いて、『申訳ございません。ロープが切れました。落ちます。落ちます』と斯うやります」
「然うやって貰えば願ったり叶ったりだ。ねえ、松本君」
「うむ」
と松本さんは頷いて、
「河野君、これは当座のお手当だ」
と五円紙幣を出した。
「首尾よく行けば、褒美の金は望み次第」
と私も煽て上げた。
「やります」
と河野は到頭引受けた。私達は詳しく手筈を打ち合わせた。
それから昨日だ。松本さんと私は出勤すると直ぐにエレベーターに乗って実地をやって見た。社長は朝から忙しかった。昼少し前に常務の赤石さんが入って来たのには一寸困った。
「一緒に食堂へ行くんじゃなかろうか?」
「然うかも知れない」
「迷惑千万だね」
「延すか?」
「いや、二三日中という約束だから、もう日がない」
「あゝ、帰る。立ったよ」
「又坐った。駄目だ」
と私達は秘書室から見守ってコソ/\話していたが、赤石さんは帰らない。
「まゝよ」
「僕もそこに帰着した」
「一蓮托生さ。赤石さんも序に驚かしてやろう」
と定めてしまった。