Japanische Klassiker mit Furigana
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ガルスワーシーのいえ
ガルスワーシーの家
岡本 かの子
Lesen Sie ガルスワーシーの家 (ガルスワーシーのいえ) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.123 Zeichen · 18 Bildschirme
宮坂はと見ると、思いがけなく、自国を率直に語る文豪の言葉の真実性に内心驚喜し、彼の味到癖を傾けつくして其の一句一句を蜜のように貪り吸っている様子だ。
老夫人はと見るとさぞ渋面作っているであろうと、思いの外、もう峠を越したというふうに晴やかで退屈な顔に戻った。流石に老夫人は夫の習性をよく知っていたのだ。ここまで究極すれば必ず話の筋を救い上げる文豪の心の抑揚をよく知っていたのだ。果してガルスワーシーは言った。
――だが………」
ガルスワーシーはまた立上った。そしてズボンの隠しに両手を入れて思案深い、やや老獪な態度で室内を漫歩しながら続けた。
――だが、私共はいくつでもブレーキを持って居るのです。自分でもうるさいくらいの。で、その沢山のプレーキの歯止めを噛ませるうちには、どれかの歯止めが役に立つのです。我々英国民はそうやすやすとは押し流されはしないでしょう」
さて此の首尾を全うした愛想話が客にどういう効果を与えたか老獪にちょっと此方を窃み視た。其の態度はずるいと言えばそれまでだが衰えながら、やっぱり年長の位を保って相手に大様さを見せ度がって居る老人の負けず嫌いが深く籠っていた。