Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
キャラコさん
キャラコさん
久生 十蘭
Lesen Sie キャラコさん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.043 Zeichen · 56 Bildschirme
女学校時代には『常識さん』という綽名をつけられ、学校中での寵児だった。
ちょっと例のないほど寛大な心をもっていて、どんな意地悪をされてもニコニコ笑っているので、意地悪をするほうでつい兜をぬいでしまう。容易に感情を動かさず、たいへん忍耐強いので、ちょいと見ると内気なだけの娘のようだが、さすが長六閣下の血統だけあって、そうとう骨が硬く甘く見ていいかげんのことをすると、ギリギリのところでひどい目にあわなくてはならない。
四五年見ないうちに、すっかり立派なお嬢さんになってしまったが、率直なところだけは、一向子供のときと変らないとおもって、秋作氏はほほえましくなる。
秋作氏は、長六閣下の一家が、つましく暮らしていることをうすうす知っているので、ホテルのロビイでキャラコさんを見かけた時は、たぶん人ちがいなのだと思った。キャラコさんの説明で、沼間夫人が無理に誘ってきたことがわかったが、意外の感じは一向に減らなかった。沼間夫人が親戚に優しくするなどということは、奇蹟でも起こらなければ有りえぬことだからである。
秋作氏が見ると、キャラコさんはたいへんな質素な服を着ている。