Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

キャラコさん

キャラコさん

久生 十蘭

Lesen Sie キャラコさん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 32.972 Zeichen · 66 Bildschirme

Aozora Bunko

「どんな詩だったのでしょう」

「いや、とるに足らない無意味なもんなんです。……なんでも、こんなふうでした。……(鴎、鴎、鴎に故郷はない。……陸も自分の故郷ではない、海も自分の故郷ではない。……今日もまた空の下の涯てない漂泊……)……まあ、だいたい、こんな工合なものでした。……ところで、鴎が、いったい、どうしたというんだ。鴎とわれわれの婚約に何の関係があるというんです。……みなふき出すやらあっけにとられるやら、さんざんなていたらくでした。……ああ、何が気にいらなくてあんなすねたような事をするのだろう。あのちっぽけな頭の中に、どんな悪魔が巣を喰っているというんだ!」

ピエールさんは、ありったけの憤懣を吐き出すといった調子で、

「あんな手に負えないしろものと、……失礼、乱暴な言葉をつかって、ごめんなさい。……あんな手に負えない娘とこれからずっと一緒にやって行くのだと思うと、考えただけで気がめいってしまいます。……私はあまり、感傷的だった。……父も、このごろ、遠廻しにそんな意味のことをいいます。たしかに、そうに違いない。私の向う見ずな同情は、生涯、私の後悔の種になることでしょう」