Japanische Klassiker mit Furigana
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キャラコさん
キャラコさん
久生 十蘭
Lesen Sie キャラコさん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 32.972 Zeichen · 66 Bildschirme
キャラコさんは、おだやかな笑いをうかべながら、いった。
「……あなたが、自殺しそこなう。その手紙を見て、驚いて、むかしの友達が駈けつけてくる。……二人が手をにぎる。……それから、どうなるの、レエヌさん……」
レエヌは、焦だって、敷布の端をもみくしゃにしながら、
「なんて奴だ。まだ嘘だと思っていやがる。……うしろを見てごらんなさい。あたしたちは、冗談をしてるわけじゃないのよ」
八
キャラコさんが、うしろを振りかえって見ると、いつの間にはいってきたのか、保羅が、濡れた髪をべったりと額にはりつけ、曖昧な薄笑いをしながら、大きな斧を持って扉のところに突っ立っていた。酒気で真っ赤に熟した頬から、ポタポタと雫をたらしている。
(どうするつもりだろう)
なぜか、すこしも危険は感じなかった。
「保羅さん、いまいろいろ、うかがっていたところよ。あたしを欺してこんなところへ連れて来て、いったい、どうなさるおつもり?」
保羅は、壁の凹みに斧を立てかけると、ジットリと濡れた外套の裾をまくりあげ、キャラコさんと向い合って椅子にかけながら、
「もう、たいてい察しそうなものじゃありませんか。