Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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キャラコさん

キャラコさん

久生 十蘭

Lesen Sie キャラコさん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 32.972 Zeichen · 66 Bildschirme

Aozora Bunko

アマンドさんの息子のピエールさんのいたずらだ。

ピエールさんはコロンビアの大学のヒュウ・ボートン先生の日本の講座に出ていて、ひらがなを書けるのが自慢なのである。

キャラコさんは、このくらいのことでは動じない。ゆっくりとお膳の上の景色を観賞してから、順々に片づけはじめる。

快遊船に乗ってから、自分でもびっくりするほどたくさんたべる。運動のせいばかりではあるまい、たしかにご馳走もおいしいようである。

寝台の頭の上で蝉鳴器が、ブウと鳴る。

クレエムを喰べながら、あいた片手でスイッチをあけると、きれいな澄んだ声が、小さな拡声器から流れ出してくる。イヴォンヌさんだ。

「キャラコさん、もう、おめざめ?」

「ええ、おめざめよ。いま、クレエム・フレェシュを片づけているところ。……ほら、きこえるでしょう。ピシャ、ピシャって……」

「ええ、きこえるわ。あまり、お上品な音じゃありませんわね。……それはそうと、あたし重大なご相談があるのよ」

「あなたの重大には、もう驚くもんですか」

「ほんとうなのよ。とても重大なことなの。これから、すぐおうかがいしていい?」

「ええ、お待ちしててよ」