Japanische Klassiker mit Furigana
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キャラコさん
キャラコさん
久生 十蘭
Lesen Sie キャラコさん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.122 Zeichen · 29 Bildschirme
規律・規律・規律!
どっちみち悪い気風ではない。それこそ、薄荷入りの海風のようなすがすがしいものが、皆の心に吹き込んで、胸をいっぱいに膨らせる。四人ながら、みな、この新しい生活形態に満足して、時には感激のあまり涙をこぼしそうになる。
服装の点検が終ると、一列縦隊に隊伍を組み、足並みそろえ、れいの行礼歩調というやつで、岡から浜のほうへ降りて行く。ヒットラーの観兵式をニュース映画でごらんになったことがおありでしょう。……長靴をはいた兵隊さんが、膝の関節をまげずに、爪先でじぶんの額を蹴あげるようにしながら行進する、あの奇抜な歩調で。
ところで、この示威運動はあまり民衆の支持を得ない。四人の質実な精神は理解されないのである。低俗な民衆の眼には、どうも、すこし素頓狂に見えるらしい。
砂浜で寝転んでいる赤銅色の青年たちが、気色を悪くして聞えよがしに叫ぶ。
「おうい、見ろみろ、また気狂いどもがやって来やがった。なんでェ、あの脚つきは。あいつら、頭の加減でも悪いんじゃないのか」
俗説に耳を藉すな。そんなことでへこたれるには及ばない。新しい行動にはいつも迫害を伴うにきまっている。