Japanische Klassiker mit Furigana
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キャラコさん
キャラコさん
久生 十蘭
Lesen Sie キャラコさん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.819 Zeichen · 36 Bildschirme
の啼声のことなのです。(ほんとうに、失敬ね!)
でも、ああいうお父さまのことですから、葉書をごらんになると、その日のうちに、朝吉に持たせて木戸さまへ返しておしまいになりました。
お兄さま。
あなたが、戦地から帰っていらしても、あんなに可愛がっていらした孔雀氏を、もう、この庭でごらんになることはできないのですよ。
これですむのかと思ったら、こんどは厩です。蠅が来てたまらないから、厩を田舎へでも移していただきたい。
ブラヴォ! すこし、お驚きになって? ところで、吃驚されるのは、まだ早いのですよ。
きのうの朝、あたしがお部屋で本を読んでいますと、花壇のほうで草でも苅るような音がしますので、見てみますと、お父さまが朝吉と二人で、花壇の花を鎌で苅っていらっしゃるのです。あんなにも丹精なすって、五年目にようやく花を咲かせた、あの竜舌蘭を!
こんなことって、あるもんでしょうか!
お夕食の時、あたし、思い切っておたずねして見ましたの。
すると、お父さまは、
「お隣りのかたが、塀の上からチラチラ花がのぞいて気障りだといわれるんで、それで、苅ってしまったのだ」
と、おっしゃいますの。