Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
キャラコさん
キャラコさん
久生 十蘭
Lesen Sie キャラコさん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.819 Zeichen · 36 Bildschirme
でも、もう、久しい間空屋になっていましたので、敷石のあいだから雑草が萌えだし、庭の花圃も荒れほうだいに荒れて、見るかげもないようになっていました。
いくども呼鈴をおしましたが、誰れも扉を開けにきません。二階のほうを見あげてみますと、どの窓も、しっかりと鎧扉がとざされ、廃屋のように森閑としずまりかえっています。
しばらくポーチにたたずんでいましたが、いつまでたっても、なんの音沙汰もないので、留守なのだろうと思って、あきらめて帰りかけると、うしろで、カチッと掛け金がはずれる音がして、二寸ばかりあけた扉の隙間から、小鹿のような臆病そうな黒い大きな眼が、そっとのぞきだしました。
皮膚の薄い、すき透るように色の白い、上品な面ざしをした九つばかりの少年で、半ズボンの裾から、スラリとした美しい脛を見せています。
あたしが、おどけた顔で失敬をして見せますと、少年はつり込まれてニッコリと笑いましたが、すぐまた、悲しげにさえ見える真面目な顔つきになって、じっとあたしを瞶めています。
もう一度、笑わせて見たくなって、両手を耳の上にあててヒョコヒョコうごかしながら『兎さん』