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Japanische Klassiker mit Furigana

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ジロリのおんな

ジロリの女

坂口 安吾

Lesen Sie ジロリの女 (ジロリのおんな) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.597 Zeichen · 102 Bildschirme

Aozora Bunko

私だって、腹も立ちます。これくらいバカ扱いに扱われては、そちらにも、ちょッとぐらいは腹を立てゝもらいたいものだ。あげくに私がドジをふんでも、私だって、たまにはドジをふんでも、意地わるをしてみたいものだ。

衣子がキリキリ柳眉をさかだてる。ハッタと私を睨みすくめる。ジロリと軽蔑の極をあそばす。それぐらいは、覚悟の上だ。

と、あにはからんや、柳眉をさかだてる段ではなく、ちょッとマツ毛をパチパチさせるぐらいのことがあったと思うと、ニッコリと、いと爽やかに私をふりむいて、

「あなた、裏口営業というものに私をつれて行ってちょうだいよ。私、まだ、インフレの裏側とやら、浮浪児もパンパンも裏口営業も見たことがないわ」

「何を言ってますか。当病院がインフレ街道の一親分じゃありませんか」

私はとっさに慌てふためいて、胸がわくわく、心ウキウキというヤツ、衣子の次なる言葉が怖ろしい、何やらワケの分らぬ早業で、心にもないウワズッタ返事をする。

「お巡りさんにつかまって、留置場へ投げこまれたら、却って、面白いことね」

なんでもない顔、私をうながしている。はからざる結果となった。

衣子は酔った。