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Japanische Klassiker mit Furigana

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ズラかったしんきち

ズラかった信吉

宮本 百合子

Lesen Sie ズラかった信吉 (ズラかったしんきち) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.656 Zeichen · 110 Bildschirme

Aozora Bunko

「うん」

襟のところでレーニンの顔と向い合わせの一つづきに、もう一つ別の顔をきりはじめた。――マルクスにしちゃ髯がない。

「そっちは誰だい?」

「リープクネヒトさ!――九月第一日曜の国際青年デーに、僕たちの級じゃ、とても素敵な、特輯壁新聞出すんだヨ。『鋤』じゃ何仕度してる?」

「鋤」でも、国際青年デーの大衆的デモに持ち出す音楽の稽古で、昼休みのクラブときたら、騒ぎだ。

今日も広間じゅうを這いまわって、男女のコムソモーレツたちがプラカートへと云うスローガンを書いてた。

色つやのいい唇をキット引しめ、気をつけてカール・リープクネヒトの秀でた額際をきりぬくと、ペーチャは、二つつづきの指導者たちの像を、ちょっと顔から遠くへはなして眺めた。

満足そうにところどころ仕上げの鋏を入れながら、ふと信吉に云った。

「――お前何故コムソモーレツにならないのサ」

――テーブルによっかかったまんま、信吉の顔は目立たない程赧くなった。――そう云われて、する返事が信吉のとこにはない。

「……いろんなことを知らなくっちゃなれないだろ?」

寧ろきくように、暫くして信吉が云った。

「どうして!」