Japanische Klassiker mit Furigana
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きなだむら
ゼーロン・淡雪 他十一篇
牧野 信一
Lesen Sie ゼーロン・淡雪 他十一篇 (きなだむら) von 牧野 信一 (まきのしんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.321 Zeichen · 54 Bildschirme
それに近頃また日増に註文が増えるというのは、何も連中は体裁をつくる仕儀ばかりじゃなくって、脛に傷持つ方々が意外の数だというんです。仮面さえかむっていれば担がれる心配がないというところから……」
「でも、いつかのJさんの場合などがあるところを見ると、何も踊りの晩ばかりが――」
「いい、あれは、ただの喧嘩だったんですってさ。担ぐのは、踊りの晩に限られたしきたりなんで。」
「それなら何も僕はあの時のことを非難されるには当らなかったろうに。」
そうも考えられたが、村政上のことで村人の仇敵になっているJ氏だったので思わぬとばっちりが私にも降りかかったのであろう、と思われるだけだった。
さっきから御面師は、頻りと私を外へ誘いたがるのだが、私はどうも闇が怖くてたじろいでいたところ、そんな風にはなされてみると、たとえ自分がブラック・リストの人物とされていようとも、当分は大丈夫だという自信も湧いた。それに踊りの頃になったにしろ、そんなに大勢の候補者があると思えば、何も自分が必ずつかまるというわけでもなかろうし、そんな懸念はむしろ棄てるべきだ、おまけに多くの候補者のうちではおそらく自分などは罪の軽い部ではなかろうか――などと都合の好さそうな自惚れを持ったりした。