Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ソヴェトどうめいのさんがつようか

ソヴェト同盟の三月八日

宮本 百合子

Lesen Sie ソヴェト同盟の三月八日 (ソヴェトどうめいのさんがつようか) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 4.226 Zeichen · 9 Bildschirme

Aozora Bunko

――

夜

小さい鏡が水道栓の横の柱にかかっている。

ニーナは、素直な栗色の髪に水をつけて、ゆっくりかきつけた。それから首のまわりを石鹸で洗って、籠の中から洗いたての白いブラウズを出し、ゆっくりボタンをかけて着た。

ああ、一時間早く仕事をきり上げてこられると、なんというのんびりしたいい心持だろう! ニーナはつくづく思った。

日暮れが早いからニーナの室には電燈がついているが、時刻にすればまだ四時そこそこである。今日の退け時ほど工場の出入口が陽気だったことはない。

工場委員会は、各職場へ、特別婦人デーのための芝居割引券をどっさり配った。ニーナはそれを貰わなかった、というのは、今夜食糧労働者組合クラブに、婦人デーの催しものがある。ナターシャをさそって、ニーナはそっちへ行くつもりなのだ。

電車の停留場まで出てみると、朝のせわしさとはうってかわった景色である。同じ毛織のショールでもよそゆきのをかぶり、祭日らしい身なりをした女が二人三人とつれ立って、電車を待っている。

枝々に白く雪の凍った並木道の間を電車が走ってくるが、チラチラとアーク燈のつよい光りをあびるごとに、風にはためく赤旗が、美しく目立つ。