Japanische Klassiker mit Furigana
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チャンス
チャンス
Lesen Sie チャンス von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.361 Zeichen · 17 Bildschirme
「これからやろうと思っている。」
「そんなら、あたしを呼んでね、あたしの名はね、おしのというのよ。忘れないようにね。」
昔のくだらない花柳小説なんていうものに、よくこんな場面があって、そうして、それが「妙な縁」という事になり、そこから恋愛がはじまるという陳腐な趣向が少くなかったようであるが、しかし、私のこの体験談に於いては、何の恋愛もはじまらなかった。したがってこれはちっとも私のおのろけというわけのものではないから、読者も警戒御無用にしていただきたい。
宴会が終って私は料亭から出た。粉雪が降っている。ひどく寒い。
「待ってよ。」
芸者は酔っている。お高祖頭巾をかぶっている。私は立ちどまって待った。
そうして私は、或る小さい料亭に案内せられた。女は、そこの抱え芸者とでもいうようなものであったらしい。奥の部屋に通されて、私は炬燵にあたった。
女はお酒や料理を自分で部屋に運んで来て、それからその家の朋輩らしい芸者を二人呼んだ。みな紋附を着ていた。なぜ紋附を着ていたのか私にはわからなかったが、とにかく、その酔っているお篠という芸者も、その朋輩の芸者も、みな紋の附いた裾の長い着物を着ていた。