Japanische Klassiker mit Furigana
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デパートのこうけいり
デパートの絞刑吏
大阪 圭吉
Lesen Sie デパートの絞刑吏 (デパートのこうけいり) von 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.242 Zeichen · 23 Bildschirme
「君は今朝何時に此処へ来たかね?」
「ええ、実は昨晩少し天候が悪かったものですから責任上心配して、今朝は何日もより少し早く六時半に出勤しました」
捲取機のハンドルを逆回転させながら、係の男は愛想よく答えた。
「すると君は、六時半にこのバルコニーへ出た訳だね?」
「いいえ違います。六時半と言うのは店へ着いた時間でして、それからあの事件の噂を聞いたり屍体を見たりしていたものですから、此処へ上った時はもう七時でした」
「その時、このバルコニーの上で何にか変った処はなかったかね?」
「別に気附きませんでしたが、ただ、瓦斯のホースが乱雑に投げ出されてあり、バルーンは非常に浮力が減って、フニャフニャになりながら、今にも墜ちそうに低い処で漂っていました。が、これは天候の荒れた後によくあることです」
「バルーンは夜中にも揚げて置くのですか?」
「ええ、下に降ろして繋留して置くのが普通ですが、天候を油断してそのままにして置く時もあるのです」
「バルーンの浮力が減ったと言うのは?」
「気嚢に穴が明いていたのです。もっともその穴は、一月程前に一度修繕した事のある穴ですが――」
「ははあ、それで君は先程気嚢の修繕をしていたのだね。