Japanische Klassiker mit Furigana
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トムきちとほうせき
トム吉と宝石
小川 未明
Lesen Sie トム吉と宝石 (トムきちとほうせき) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.254 Zeichen · 9 Bildschirme
」
と、若者は、頭をかしげていました。
「こうして、自分の目にはいったのだから、捨てずに、記念として持ってゆこうか。」
と、若者は、青い石を掌の中でころがしながら、朗らかに笑いました。
「どれ、どんなものを拾ったのですか。」
と、トム吉は、若者の拾った青い石を見せてもらいました。よく見ると、それは、また、すばらしいものです。トム吉は、見ているうちにほしくなりました。自分の持っているものなら、なんでもやって、代えてもらいたかったのです。それほどすばらしい品でした。しかし、トム吉は、驚きの色を顔に出すまいとしました。これは、宝石商の店に使われている時分の癖が出たのです。そして、心の中で、どうかしてごまかして、自分のものにすることはできないものかと思っていました。
「小さい穴があいているが、なににしたものでしょうね。」
と、若者は、そんなたいしたものとは知るはずがなく、こう問いました。
「さあ……。」といって、トム吉は、口ごもりました。そして、胸の中では、なぜこの石がはやくおれの目に見つからなかったろうというくやしさでいっぱいでした。
この青みがかった穴のあいている石は、太古の曲玉であって、光るのは、ダイヤモンドでありました。