Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

トムきちとほうせき

トム吉と宝石

小川 未明

Lesen Sie トム吉と宝石 (トムきちとほうせき) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.254 Zeichen · 9 Bildschirme

Aozora Bunko

そして、トム吉が、はっと思ったしゅんかんに、糸は指からはなれて、曲玉は、波の中に落ちて呑み込まれてしまいました。

若者は、そんなことには気にもとめずに、口笛を鳴らして、このかぎりない美しい景色に見とれていましたが、トム吉は、失望と悔恨とくやしさとで、顔の色は、すっかり青ざめていました。

翌日、ここまで道づれになってきた二人も、いよいよ別れなければなりませんでした。

若者は、トム吉に向かって、

「もし、私が、成功をして大金持ちになったら、きっとあなたの町へたずねてゆきます。そして、あなたを、お助けいたします。どうか、お達者でいてください。」

といって、堅く、その手を握りました。そして、右と左に、別れてゆきました。

トム吉は、立ち止まって、だんだんに遠ざかってゆく若者のうしろ姿を見送っていましたが、まったくその姿が見えなくなると、そこに身を投げ出して、すすり泣きをはじめました。

「なんて、おれは、あのとき、あさましい考えを起こしたのだろう、もし、正直だったら、そして、自分が骨をおって、あの宝石を高く売ってやったら、あの男は、思いがけないもうけに喜んで、半分はお金を分けてくれたにちがいない。