Japanische Klassiker mit Furigana
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ドグラ・マグラ
ドグラ・マグラ
夢野 久作
Lesen Sie ドグラ・マグラ von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 424.847 Zeichen · 824 Bildschirme
巻頭歌
胎児よ
胎児よ
何故躍る
母親の心がわかって
おそろしいのか
…………ブウウ――――――ンンン――――――ンンンン………………。
私がウスウスと眼を覚ました時、こうした蜜蜂の唸るような音は、まだ、その弾力の深い余韻を、私の耳の穴の中にハッキリと引き残していた。
それをジッと聞いているうちに……今は真夜中だな……と直覚した。そうしてどこか近くでボンボン時計が鳴っているんだな……と思い思い、又もウトウトしているうちに、その蜜蜂のうなりのような余韻は、いつとなく次々に消え薄れて行って、そこいら中がヒッソリと静まり返ってしまった。
私はフッと眼を開いた。
かなり高い、白ペンキ塗の天井裏から、薄白い塵埃に蔽われた裸の電球がタッタ一つブラ下がっている。その赤黄色く光る硝子球の横腹に、大きな蠅が一匹とまっていて、死んだように凝然としている。その真下の固い、冷めたい人造石の床の上に、私は大の字型に長くなって寝ているようである。
……おかしいな…………。
私は大の字型に凝然としたまま、瞼を一パイに見開いた。そうして眼の球だけをグルリグルリと上下左右に廻転さしてみた。