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Japanische Klassiker mit Furigana

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ドグラ・マグラ

ドグラ・マグラ

夢野 久作

Lesen Sie ドグラ・マグラ von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 424.847 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

「……『狐憑き、落つればもとの無筆なり』……という川柳を知っているかね君は……」

私は面喰った。不意に横頬に何か見えないものをタタキ付けられたような気持ちがして、暫く眼をパチパチさせていた。

「……そ……そんな川柳は知りません」

「……フ――ン……この句を知らなけあ川柳を知っているたあ云えないぜ。柳樽の中でもパリパリの名吟なんだ」

こう云うと正木博士は得意の色を鼻の先にほのめかしながら、片膝をぐっと椅子の上に抱え上げた。

「……ソ……それが……どうしたんです」

「ドウしたんじゃない。この川柳があらわしている心理遺伝の原則を呑み込んでいない以上、シャイロック・ホルムスとアルセーヌ・ルパンのエキスみたいな名探偵が出て来ても、この疑問は解けっこない」

冷やかにこう云い放った正木博士の口から、小さな煙の輪が一ツクルクルと湧き出して、私の頭の上の方へ消えて行った。私は又、眼をパチパチさした。

……狐憑き……落つれば……落つれば……もとの無筆……もとの無筆……

と心の中で繰り返したが、わからないものはいくら考えても解らなかった。

「若林先生は知っているんですか……その理屈を……」