Japanische Klassiker mit Furigana
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ドグラ・マグラ
ドグラ・マグラ
夢野 久作
Lesen Sie ドグラ・マグラ von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 424.847 Zeichen · 824 Bildschirme
の中から発見しなければならぬとは……何という奇妙な私の立場であろう。何という恥かしい……恐ろしい……そうして不可解な運命であろう。
こんな風に考えが変って来た私は、われ知らず額にニジミ出る汗を、ポケットの新しいハンカチで拭いながら、今一度部屋の内部を恐る恐る見廻しはじめた。思いもかけない過去の私が、ツイ鼻の先に隠れていはしまいかという、世にも気味の悪い想像を、心の奥深くおののかせ、縮みこませつつ、今一度オズオズと部屋の中を見まわしたのであった。
部屋の中央から南北に区切った西側は、普通の板張で、標本らしいものが一パイに並んだ硝子戸棚の行列が立塞がっているが、反対に東側の半分の床は、薄いホコリを冠った一面のリノリウム張りになっていて、その中央に幅四五尺、長さ二間ぐらいに見える大卓子が、中程を二つの肘掛廻転椅子に挟まれながら横たわっている。その大卓子の表面に張詰めてある緑色の羅紗は、やはり薄いホコリを被ったまま、南側の窓からさし込む光線を眩しく反射して、この部屋の厳粛味を一層、高潮させているかのようである。又、その緑色の反射の中央にカンバス張りの厚紙に挟まれた数冊の書類の綴込みらしいものと、青い、四角いメリンスの風呂敷包みが、勿体らしくキチンと置き並べてあるが、その上から卓子の表面と同様の灰色のホコリが一面