Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ドミノのおつげ
ドミノのお告げ
久坂 葉子
Lesen Sie ドミノのお告げ (ドミノのおつげ) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.713 Zeichen · 42 Bildschirme
いえ、近よってみて始めてわかったのでした。青くなって、うつぷしている父の体にふれました。ぬくみがほとんどありません。父は死んだのです。私はおどろきました。信二郎をおこしました。叔母を呼びました。母に電話をかけました。とにかくすぐ帰るようにとのみ伝えたのでした。私は何をすればよいのやら唯茫然としたまま父の顔をみつめております。けれど、悲しいとか、御気の毒だとかいう感情はちっとも湧いて来ません。信二郎は父の机の抽出しをゴソゴソかきまわして何もないというなり自分の部屋へは入ってしまいました。父は嗅薬を飲んだのでしょうか。その劇薬がからになっており、コップに水が半分のこっておりました。昨夜、少しの呻吟もきこえなかったことが私には不思議に思えました。あの目がさめて起き上った時は、もうすでに死んでいたのでしょうか。父の死が、本当だろうかと疑う気持さえ起りました。叔母が、湯を沸して持って来ました。母が帰りました。私も手伝って、死体の処置をいたしました。母は口の中で神勅をとなえながら泣いております。春彦を呼びにやって近所の心やすい医者がまいりました。私は父の死の動機が、病苦からか、神経衰弱がこうじたからか、或いは虚無か、貴族の誇のためなのか、考えてみようと致しました。