Japanische Klassiker mit Furigana
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ドモまたのし
ドモ又の死
有島 武郎
Lesen Sie ドモ又の死 (ドモまたのし) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.456 Zeichen · 33 Bildschirme
もういそがないと間に合わない。今朝俺は青島と手分けをして、青島は堂脇んちの庭に行き、俺は九頭竜の店に行った。とてもたまらない奴だ。はじめの間は、なかなか取りつく島もなかったが、とうとう利をもっておびき出してやった。名は今ちょっといえないが私どもの仲間に一人、ずぬけてえらい天才がいる。油でもコンテでも全然抜群で美校の校長も、黒馬会の白島先生も藤田先生も、およそ先生と名のつく先生は、彼の作品を見たものは一人残らず、ただ驚嘆するばかりで、ぜひ展覧会に出品したらというんだが、奴、つむじ曲がりで、うんといわないばかりか、てんで今の大家なんか眼中になく、貧乏しながらも、黙ってこつこつと画ばかり描いていた。だから世間では、俺たちの仲間のほかに、奴のことを知ってるものは一人だっていやあしない。
沢本 うん全くそれはそのとおりだ。
花田 ところがその男が貧に逼り、飢えに疲れてとうとう昨日死んでしまった。
沢本 馬鹿をいうない。俺はとにかくまだ生きてるぞ。
花田 誰が死んだのはおまえだってそういったい……ところで俺たちは実に悲嘆に暮れてしまった。いったい俺たちが、五人そろって貧乏のどんづまりに引きさがりながらも、鼻歌まじりで勇んで暮らしているのは、誰にもあずけておけない仕事があるからだ。