Japanische Klassiker mit Furigana
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ニッケルのぶんちん
ニッケルの文鎮
甲賀 三郎
Lesen Sie ニッケルの文鎮 (ニッケルのぶんちん) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.523 Zeichen · 37 Bildschirme
とても逃れる所はないんですものね、蒼い顔をして悄然としているのを見ると、あたしはほんとにいい気味だったわ。こいつが先生を殺したんだと思うと随分憎らしくもあったわ。
あたしそう思ったわ。清水の奴、文鎮で先生を殺して置いて、ええ、傷口はピッタリ文鎮と合ったのよ。これで打った事は疑いの余地はないの。そして自分の事を書いてある遺書のあるのをどうかして知っていて、それを奪ろうと部屋中探したに違いないとね。何てずうずうしいんでしょう。あたし達三人また検事さんの前に呼ばれて清水の事で調べられたわ。
『お前は被害者が清水宛てに手紙を出した事を知ってるか』って聞かれたわ。
あたしそんな事知らなかったの。下村さん達も知らなかったわ。先生の手紙は大抵あたしが出しに行くのですから、あたしならまあ知っている訳だわ。
清水がこういうんですって。昨日の昼先生から秘密の用談があるから、今晩遅くに来てくれという手紙を貰ったのですって、それで夜出かけたけれども、先に一度銀行の通帳の事で一杯喰わされた事があるので、何となく気が進まず、宅の前まで来てそのまま帰っちゃったんですって。だって可笑しいでしょう。