Japanische Klassiker mit Furigana
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ニッケルのぶんちん
ニッケルの文鎮
甲賀 三郎
Lesen Sie ニッケルの文鎮 (ニッケルのぶんちん) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.523 Zeichen · 37 Bildschirme
をやっていたので、ちょいとその原稿を失敬したのです。無論一部分でした。清水も用心して古田に少しずつ渡していたのです。そこで無電先生宅へ帰って読んでみると、なかなか面白いもので、次第によったら金になりそうなのです。それで様子を窺っていると、三度目に清水に呼ばれた時、古田の奴、狂言強盗で入りもしない泥坊に、ホンのちょっと掠り傷を負わされて、ひどい目に遭わされたように見せかけ、残りの原稿をすっかり自分の懐へ入れちゃったのです。新聞で無電小僧の仕業と書き立てたでしょう。そこで無電小僧が怒って、古田の宅へ侵入して彼を縛りつけて探したけれども、ちょっと原稿の在処が分からなかったのです。これがまああの古田の身の上に四度まで起こった怪事件の真相です。その後無電小僧は原稿の出所を先生の所と悟りました。つまりこうして研究の原稿が古田と無電小僧と先生――最後の方ですね――との三人に別れてしまったという訳です。そこで無電小僧は虎穴に飛び込んだのです。先生の所にいれば、隙があれば先生の持っている分を引きさらはうし、計事で古田を誘き寄せて、彼を脅して原稿を出させる事も出来ます。