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Japanische Klassiker mit Furigana

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ノンシャランどうちゅうき

ノンシャラン道中記

久生 十蘭

Lesen Sie ノンシャラン道中記 (ノンシャランどうちゅうき) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.878 Zeichen · 26 Bildschirme

Aozora Bunko

ともかく、一寸延しにしてその間にしかるべき応急手段を廻らそうという魂胆。タヌは、四分の三身という仕立か外套に腕を通し運転用手袋をはきながら、

「いいえ、かまわないよ。楽にしていたまえ」と、今にも出発しようという身構え。コン吉は絶体絶命。

「どうもありがとう。……でもネ、僕なんかにこんな自動車はもったいないです」と、ひたすらに辞退する。

「君、もったいないことなんかあるもんですか。汽車で行くよりずっと安あがりだよ。いいわね、ニースまでの汽車賃は一人片道四百法でしょう。それに大鞄の運賃が二百法、赤帽代二十法、座席の予約料が三法。こいつを往復の計算にすると……」

ここでタヌは、消炭のかけらを拾って歩道の上へ書きつけた。

筆算400×2=800 800+6=806 806+40=846 846+400=1246の図

「ところで、こいつはたった八百法で買ったんだから、1246-800=446で、四百四十六法も経済したうえに、あたし達は、碧瑠璃海岸の春風を肩で切りながら、夢のように美しいニースの『英国散歩道』や、竜舌蘭の咲いたフェラの岬をドリヴェできるというわけなのよ。