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Japanische Klassiker mit Furigana

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ノンシャランどうちゅうき

ノンシャラン道中記

久生 十蘭

Lesen Sie ノンシャラン道中記 (ノンシャランどうちゅうき) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.878 Zeichen · 26 Bildschirme

Aozora Bunko

タヌもようやく焦燥気味で、あちらを捻り、こちらを押すが、商会はアリゾナの野における悍馬のように、ただ後足でぴょんぴょん跳ねくるばかり、一向に埓があく様子もない。業を煮やした貴縉紳士ならびに夫人令嬢は、それぞれ車から降り立って、二人の車を十重二十重に取り囲み、口々にがやがやと抗議を申し込む。

コン吉はたちまち上気し、鼻の頭に汗をかいてただ埓もなく、

「パルドン、パルドン」の百万陀羅。これに反してタヌは、群集の口が増せば増すほどいよいよ活況を呈し、四面八方に薙ぎ立てる。

「君、ちょいとその紳士。君はいま、あたしの車を touf-touf だといったね。ぼろだって芥箱だって大きなお世話だよ。君の自動車を持って来てごらんなさい。どっちが touf-touf だかくらべて見てあげるから。なんだイ、髯なんか生やして。……それから、そっちの夫人、君はさっき(このやりきれない pouce-pouce)といったね。そォお、乳母車のように楽に押せるかどうか、ひとつやって見てくれない?……ねえ諸君、動かないのは車のせいじゃないんだよ。アスファルトのせいなんだよ。こんなところへアスファルトなんか敷くからいけないんだ。