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Japanische Klassiker mit Furigana

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ノンシャランどうちゅうき

ノンシャラン道中記

久生 十蘭

Lesen Sie ノンシャラン道中記 (ノンシャランどうちゅうき) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.878 Zeichen · 26 Bildschirme

Aozora Bunko

三、美人知恵深く惑障至って少なきこと。

の称をもって呼んだというのである。「さあ、鮫の緬を持って来い、シトロンを持って来い!」

「いやよ」

「いやよ、とは寛怠至極。しからばこうだ」

「待った、待った! その人形を投げるんじゃないよ。そっとあたしに渡してちょうだい」

「なんの事はない。ほれ、ポイとこの通り」

「うわア、なさけない事になっちゃった」

「吾輩の命令に服従しないと何をするかわからないよ」

「はい、はい。では、どのくらい?」

「ケチな事をいうな、沢山持って来い。それから、湯タンポがぬるくなったから取り換えるがよかろう。ついでに僕の股引をば洗濯しておくがよろしい」

「癪だわア。覚えていらっしゃい」

「なんですか?」

「いいえ、いますぐ」

三、美人知恵深く惑障至って少なきこと。おお! 日ごろ温和にして猫のごとく従順な君コン吉が、こんなふうにむやみに乱暴を働くというのは、多分、かねて神経衰弱の徴候をはらんでいた君の頭の鉢が、「変り咲き」の国花の花鉢に接触したとたん、交流した精神錯乱の過剰電気が、君の大脳の電極でスパークしたのに違いないよ。だから、まず手始めにその方の療治を始めなくてはならないわね。神経衰弱というのは日光と熱と塩分と燐、それに肉体と声帯の不足から来ているのだから、その方の不足を補えばいいわけよ。