Japanische Klassiker mit Furigana
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ノンシャランどうちゅうき
ノンシャラン道中記
久生 十蘭
Lesen Sie ノンシャラン道中記 (ノンシャランどうちゅうき) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.011 Zeichen · 23 Bildschirme
二、極楽はコルシカにあり船に乗って行くべし。ははあ、そういうわけですか。賭球戯というやつはいつになっても命とりですな。二十五万法勝って一度に二十五万法すっちまったら、誰れだってそんな気持になりますよ。……人里離れたところで生気を取りもどそうなんてのは、まず至極な思いつきですな。生半繁華なところにいるてえと、見るもの聞くもの癪の種、ってわけでね。つまらない了見を起こしかねませんからねえ。と、いっても北極探険なんてのも楽じゃない。アフリカ……あそこは日焼けがひどいね。じゃ、どうです。いっそコルシカへいらしちゃ。……手近で浮世離れしたなんてのはあそこ以外にはありませんな。春なんざすてきなもんですよ。そこらじゅう一面にベタベタと花が咲いてね、まるで理髪店の壁紙のように派手なことになっちまうんです。そのなかでまた鶯がのべつにピイチク・ピイチク鳴く。そうすると百舌だって引っ込んじゃいられない。負けずにピチョ・ピチョとやり返す、そのうちに月が出て引分けってことになるんです。川には川でやたらに魚がいますね。その川ってのには、しょっちゅう温泉が流れ込むんで、魚はみないい加減にうだってぐったりしているんですよ。