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Japanische Klassiker mit Furigana

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ノンシャランどうちゅうき

ノンシャラン道中記

久生 十蘭

Lesen Sie ノンシャラン道中記 (ノンシャランどうちゅうき) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.515 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

……ええ、財布の底を払って誠意を示しますよ。では、早速ですけど、ここに三千法と、ほかに二十六法あってよ。さ、これで全部」と、机の上へ押しつけるように紙幣を並べる。

「コン吉、さ、あんたも皆出したまえ」

コン吉は、

「おいきた」と、勇み立って、あちらこちらの衣嚢から、五十法紙幣一枚、十法二枚、二法真鍮貨二つ、と、探し出しそれから日本の郵便切手を三枚景物に添えて机の上へ並べた。

一〇一号は懐疑的な眼付で、じろじろ二人の様子を見ていたが、どうやら両人が、最後の五文まで出し切った様子を見定めると、紙幣を財布へ納めてから、

「よろしい。では、始めます」と、いって模擬貨幣を浮彫りの白鳥の眼玉の上に載せた。

「よろしいですか。この呪文は暹羅語で、(アルス・ロンガ・ヴイタ・ヴレヴイス)というのですが、モナコの模擬貨幣が暹語を知ってるはずはありません。そこでこれを翻訳して、Garon,Viensici!(小僧や、ここへおいで!)と、こういうのです。この兎の足でもって三遍鼻の頭を撫でてから、なるたけ大きな声でこの呪文を唱えるのですヨ。論より証拠。一つやってみましょう」

そこで一〇一号は、樺色の野兎の足で、うやうやしく鼻の頭を三度撫で、