Japanische Klassiker mit Furigana
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パルチザン・ウォルコフ
パルチザン・ウォルコフ
黒島 伝治
Lesen Sie パルチザン・ウォルコフ von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.366 Zeichen · 31 Bildschirme
「ハイ。」
濃厚な煙が流れてきた。士官も兵士も眼を刺された。煙ッたくて涙が出た。
五
「今度こそ、俺れゃ金鵄勲章だぞ。」
銃をかついで、来た道を引っかえしながら軍曹は、同僚の肩をたたいて笑った。彼は、中隊長の前で、三人の逃げ出そうとするパルチザンを突き殺した。それが、中隊長の眼にとまった自信が彼にあったのだ。
「俺だって功六級だ。」
同僚もそれに劣らない自信があった。
看護卒は、負傷した少尉の脚に繃帯をした。少尉の傷は、致命的なものではなかった。だから、傷が癒えると、少尉から上司へいい報告がして貰える。看護卒には、看護卒なりに、そういう自信があった。
彼等は、愉快な、幸福な気分を味わいながら駐屯地へ向って引き上げて行った。
大隊長は、司令部へ騎馬伝令を発して、ユフカに於けるパルチザンを残さず殲滅せしめたと報告した。彼は、部下よりも、もっと精気に満ちた幸福を感じていた。背後の村には燃えさしの家が、ぷすぷす燻り、人を焼く、あの火葬場のような悪臭が、部隊を追っかけるようにどこまでも流れ拡がってついてきた。けれども、それも、大隊長の内心の幸福を妨げなかった。