Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ピストルのつかいかた
ピストルの使い方
泉 鏡花
Lesen Sie ピストルの使い方 (ピストルのつかいかた) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.100 Zeichen · 78 Bildschirme
「じゃあ、今しがた、ここに居た、あの、天狗様の悪戯かも知れないわね。」
「ここに居た、天狗、どこに、いつ。」
かえって多津吉が驚いた。
「そこにさ。貴方の。」
「ええ。」
「腰を掛けていらっしゃる、松の根を枕にして。」
多津吉は思わず居退いた。うっかりそこへ触った手を、膝へ正したほどである。
「仰向けに寝転んで、蒼空を見ていたんですよ。」
言うまもなしに、
「御覧なさい。」
背後から、塚へするすると、乱菊の裾を、撓わに、紫の色に出て、
「まだ、整としていますのね。この白い鶏も、その天狗様の悪戯じゃありませんか。――ああ、竜胆を。」
と、ながしめ清しく、
「まあ、嬉しい。あなたもお手向けなすったのね。あの、そしてこの塚のいわれを御存じなんですか。」
翳せる袖と竜胆の紫の影は添いながら、鳥冠は冴えて紅である。
「いわれも聞きたし、更めて花の礼も言いたいが、――何だか、お前さんは、魔神の眷属……と言って悪ければ、娘か、腰元、ででもあるような気がする。」
多津吉は軽く会釈して、
「その鶏は?」
「ええ、まったくよ。」
とまた莞爾しながら、翳した袖を胸に返して、袂の先を軽くなぶった。