Japanische Klassiker mit Furigana
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メーデーにうたう
メーデーに歌う
宮本 百合子
Lesen Sie メーデーに歌う (メーデーにうたう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.915 Zeichen · 8 Bildschirme
歩道の人々はおどろきと恐怖の表情で、そのさわぎを眺めているのであった。
そのころのメーデーといえば、全く勤労大衆の行進か、警官の行進か、という風であった。険相な眼と口を帽子の顎紐でしめ上げた警官たちが、行列の両側について歩いて寸刻も離れないばかりか、集合地点には騎馬巡査がのり出した。歩道には、市内各署の特高のスパイが右往左往して日頃目星をつけている人物を監視したり今にもひっぱりそうな示威をしたりしている。おとなしく立っている女ばかり数人の私たちでさえ、いやな気がしてじっと一つところにはいられなかったほど、胡散くさい背広の男たちにつきまとわれた。行進が上野の山へ集合した頃、私たちは群集におされながら、松坂屋の先の、時計屋の大きい飾窓の下におしつけられていた。見物の群集が、そんなにどっさりだったのは、組合の人々の行うメーデーの行進が全く一つのたたかいであって、なかなか簡単に参加ができなかったからであったし、もう一つには、そうやって、権力の乱暴な妨害に抵抗しながら、腕をくみ、進んでゆく労働者の姿に、人々は敬意も感じてその光景を見たがっていたのであった。