Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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モスクワのすがた

モスクワの姿

宮本 百合子

Lesen Sie モスクワの姿 (モスクワのすがた) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.697 Zeichen · 4 Bildschirme

Aozora Bunko

云々」

――モスクワのどの店頭にだって、Xマス売出しはない。

厳冬で、真白い雪だ。家々の煙出しは白樺薪の濃い煙を吐き出している。赤と白とに塗った古い大教会のあるアルバート広場へ行ったら、雪を焚火のおきでよごして、門松売りのようにクリスマスの樅の木売りが出ている。女連が買物籠を片腕にひっかけ、片っ方の手で頻りに大きい樅の枝をひっぱり出しては、値切っている。

自分たちは、ホテル暮しだ。

その上、樅の木にローソクをつけて、三鞭酒をのむというような習慣は子供のときから持ち合わせていない。

橇にのっかって、別の、そこの廊下には絨毯を敷いてあるホテルへ行った。

黒田礼二がドイツから来ている。

コスモポリタンになっている黒田礼二はブルジョア・ヨーロッパの感情でクリスマスというものをハッキリ感情するらしい。

今夜ローソクが点る樅の木を買って君達のホテルへ行くから、お茶でものませて、ということになった。

自分は夕方、紙切れを握って塩漬キャベジの匂いのする食糧販売店の減った石段をトン、トン、トンと下りて行った。

紙切れを見ては、あやしい発音でイクラを買った。漬胡瓜を買った。