Japanische Klassiker mit Furigana
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モスクワにっきから
モスクワ日記から
宮本 百合子
Lesen Sie モスクワ日記から (モスクワにっきから) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.232 Zeichen · 11 Bildschirme
「勿論結構です」
奥から看護婦が白い上っぱりをもって来てくれた。チビの自分には長くて靴の爪先まである。
いよいよその医員に従って廊下に出たが、自分は全く往来を歩いたまんまの靴でそこを歩いてもかまわないのか、と心配した。どこもかしこも、それ程清潔なのだ。
「まずここで、体を診て貰うんです」
入口廊下から直ぐの小ぢんまりした室だ。婦人科用寝台、その他がそなえつけられて、大きい窓からキラキラ日光がさし込んでる。
「いよいよ出産が近いとわかると、この室で」
次の室の戸をあけて内部を見せた。
「風呂に入ったり、髪を洗ったりして、すっかり産院の衣服にきかえて貰います」
最新式の設備でシャワーがある。風呂、体重計量器。
「次は、陣痛室ですが……」
戸のハンドルをそーっとあけた。広い、白い壁の室だ。足と足とをつき合わせる位置に、ひろく間隔をおいて、幾つも寝台が並んでる。どれも真新しいシーツにおおわれ、いざと云えば直ぐ役に立つように出来ている。入ったところの寝台へ一人若い女が白い産院の服を着て臥ている。痛む最中と見え、唸って、医員の手をつかまえ、自分の手までひきよせた。
「苦しいんですよ。