Japanische Klassiker mit Furigana
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ラクダイよこちょう
ラクダイ横町
岡本 良雄
Lesen Sie ラクダイ横町 (ラクダイよこちょう) von 岡本 良雄 (おかもとよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N4. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N4 · Einstieg · moderne Kanji und Kana · 6.189 Zeichen · 13 Bildschirme
――おもしろいな。
――ふしぎだな。
――なぜだろう。
これが、いのきちがおぼえている、第一番めのおどろきであった。つづいて、日本海の石におどろいたのが第二番め―。そして、第三番めは、それからずっとあとになって、いまのミルクホールに働くようになってから、また新しいおどろきが、いのきちをおどろかせたのであった。――というのは、あの日、はじめて海を見たときから、いのきちの心はもう、山をはなれていた。うごかない山。空のむこうに、空の見えない山。そして、六年生をおわると、とうとう、がまんがしきれなくなって、町にでたいと、せがんだのであった。
「おじいさんや、そのまた、おじいさんのむかしから、ずっと、この村に住んできたのに、どうして、おまえは、ここがいやなのだ。」
父は、こういって、なげいたし、
「町にでても、だれひとり、しった人もないのに……。」
母は、しんぱいでたまらない、というふうであった。
「ほんとうに、いのきちは、かわりものになったのう。」
近所の人もみんな、こういった。けれども、ただ、みよこのうちのおじさんだけが、いのきちの考えにさんせいしてくれた。