Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
レンズとフィルム
レンズとフィルム
中井 正一
Lesen Sie レンズとフィルム von 中井 正一 (なかいまさかず) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.351 Zeichen · 11 Bildschirme
カントの理性を導火とし、フィヒテの自我を爆薬とし、ルッソーの自然を坑道とし、フランス革命の七月にハイネたちが北海の浪を焔をもって充たしうるとまで叫んで爆発せしめたあの情熱が、かくもはやく燃焼しつくし、一かたまりの底あつい灰と化しようと誰が考ええたであろう。
しかし、事実は事実である。
限界を越えたる自我の自由が経済領域で犯せる越権、芸術において、哲学において、道徳において犯せる越権が、それに値する刑罰を課した。人は天才の名によって、非合理性の問題を意味づけんとし、恣意が独創の外貌をつけはじむる時、すでに情熱は一つの発熱をもたらし、不安と灰の感触の中に涵されたのである。そこに一九二〇年代の青白い憂愁と、高雅なる陰欝がある。
狂えるムンクはその一つの記録である。
それは集団の組織の中にみずからを要素とする道を知らない、偉大なる個人の記録である。破砕せる巨大なる個人の記録である。歴史の深さはそこにある。
一九三〇年にはデュアメルが叫び、一九五〇年にオウエルがゲオルギューが叫んでいるところのものが、またそうである。
インテリ的個人が集団の掌の感触を受け入れるのには一つの回心を要求する。