Japanische Klassiker mit Furigana
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おもいで
ロッパの悲食記
古川 緑波
Lesen Sie ロッパの悲食記 (おもいで) von 古川 緑波 (ふるかわろっぱ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.651 Zeichen · 114 Bildschirme
と、僕のところへだけ、スープが、コンソメから、ポタアジュと運ばれるので、「おや?」と、喜多村先生は驚かれた。「いや、実は――」と言って、一々その説明をするのが、辛かった。
然し、本当のことを言えば、毎食毎に、メニュウを全部平げていた日には、腹具合は兎も角として、倦き倦きしちまう。種類は、いくら多くても、結局は、西洋料理なんだから、うんざりして来る。
然し、意地ってものがある。途中から、全コースというのをやめるのは嫌だ。又その頃の富士屋には、日本料理の定食もあったんだが、それを食うことも恥とした。いよいよ苦しくなったら、滞在を切り上げて、帰るべきだ、という悲壮な気持だった。で、そうだな、かれこれ一週間、苦行を続けたと思うんだが――苦行とは言っても、やはり美味いものは美味くって、苦しみつつも、毎食一品位は、喜んで食ったものだ、――そして、一週間目位に、全身洋食の如き感じになり、もはや、堪えがたしと覚えた。で、富士屋ホテルを去って、熱海へ出た。
熱海の日本宿で、朝食を食った時、ああ、こんなに、日本食ってものは、うまいものか! と感嘆した。
コーヒーとトーストに、ハムエッグス、ベーコン等の朝食から、熱海の名物の干物、納豆、みそ汁に、生卵という朝飯の、ああ何とも言えない、うまさであった。