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Japanische Klassiker mit Furigana

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ウィタ・セクスアリス

ヰタ・セクスアリス

森 鴎外

Lesen Sie ヰタ・セクスアリス (ウィタ・セクスアリス) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 58.941 Zeichen · 119 Bildschirme

Aozora Bunko

神田で嫌な酒を五六杯飲ませられたので、咽が乾く。土瓶に手を当てて見ると、好い加減に冷えている。傍に湯呑のあったのに注いで見れば、濃い番茶である。僕は一息にぐっと飲んだ。

その時僕の後にしていた襖がすうと開いて、女が出て、行燈の傍に立った。芝居で見たおいらんのように、大きな髷を結って、大きな櫛笄を※(「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28)して、赤い処の沢山ある胴抜の裾を曳いている。目鼻立の好い白い顔が小さく見える。例の中年増が附いて来て座布団を直すと、そこへすわった。そして黙って笑顔をして僕を見ている。僕は黙って真面目な顔をして女を見ている。

中年増は僕の茶を飲んだ茶碗に目を附けた。

「あなたこの土瓶のをあがったのですか」

「うむ。飲んだ」

「まあ」

中年増は変な顔をして女を見ると、女が今度はあざやかに笑った。白い細かい歯が、行灯の明りできらめいた。中年増が僕に問うた。

「どんな味がしましたか」

「旨かった」

中年増と女とは二たび目を見合せた。女が二たびあざやかに笑った。歯が二たび光った。土瓶の中のはお茶ではなかったと見える。僕は何を飲んだのだか、今も知らない。