Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
いちのくらさわしょうめんのとうはん
一ノ倉沢正面の登攀
小川 登喜男
Lesen Sie 一ノ倉沢正面の登攀 (いちのくらさわしょうめんのとうはん) von 小川 登喜男 (おがわときお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.722 Zeichen · 12 Bildschirme
その辺の傾斜は六十度余で、岩角で確保しながらほとんど平になって見える先ほどの雪渓や一枚岩の岩場が銀灰色に光って見える。時折雪渓の一部が轟然たる反響を残して崩れ落ちる。岩を掻くネールの音や、不安定な石を落す冴えた音だけで、緊張した静けさが続く。
やがて右へとトラヴァースし暫くして、リンネの上の小さな岩塊を廻り、斜上気味に狭い棚を行くと、水の滴っている比較的大きなリンネへ達する。本沢のリンネはすぐ横に見下せるが、ちょっと落込んでいて手強そうなので、すぐとそのリンネにルートをとる事にする。
そのリンネはかなり急であるが、手懸の多いガッチリとした岩なので、緊張しながらも愉快にはかどる。やがて右の岸壁に入っている急な棚状の箇所を行きつめると、リンネは一枚岩の岩壁で囲まれて、三、四十米の外の開いた悪いチムニー状の所となる。中頃までチムニー登りによって登り、それからは狭い裂け目について僅かな手懸りを求めて行く。裂け目の最上部はオーバーハングであり、二番目の者が確保する所もよくないので、水で濡れたその箇所を左上へと切抜ける時には、かなり激しい緊張を余儀なくされた。