Japanische Klassiker mit Furigana
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いちしょうにんとして
一商人として
相馬 愛蔵
Lesen Sie 一商人として (いちしょうにんとして) von 相馬 愛蔵 (そうまあいぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.895 Zeichen · 222 Bildschirme
五ヶ条の盟
新宿に移転後は、私にとり最初の子飼いの店員であった長束実に譲り渡した。惜しいことにこの長束は早く死んだので、店はまた他に譲られたが、現在もやはりそこに中村屋と称して存続している。
五ヶ条の盟
中村屋は相当に売れている店を譲り受けたのであるから、我々にとっては全くの新天地でも、店としてはいわゆる代がわりしただけのことであった。新店を出したのとは違って、初めから売れるか売れないかの心配はなく、ある程度の売上げは当てにしてよかったのである。けれどもそこに危険がある。店が売れているのに失敗したという先の主人中村萬一さんの二の舞いを、うっかりすれば我々が演じることになるのである。ことにそちらは玄人こちらは素人、いっそう戒心を要することであった。
そこで私は中村さんがこの店を手離さねばならなくなった失敗の原因を、店の者にも質し、人からも聞き、また自分でも周囲の事情に照して考えて見た。すると、先主人中村さんは商売にはなかなか熱心であった、お内儀さんもしっかりしていたと誰もが皆言う。それがふと米相場に手を出し、ずるずるとそちらの方に引張られて行って損に損を重ね、とうとう債鬼に責め立てられて店を離さねばならなかった。