Japanische Klassiker mit Furigana
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いっせきわ
一夕話
Lesen Sie 一夕話 (いっせきわ) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.921 Zeichen · 12 Bildschirme
それも皆若槻のおかげなんだ。そういう消息を知っている僕は、君たちさえ笑止に思う以上、呆れ返らざるを得ないじゃないか?
「若槻は僕にこういうんだ。何、あの女と別れるくらいは、別に何とも思ってはいません。が、わたしは出来る限り、あの女の教育に尽して来ました。どうか何事にも理解の届いた、趣味の広い女に仕立ててやりたい、――そういう希望を持っていたのです。それだけに今度はがっかりしました。何も男を拵えるのなら、浪花節語りには限らないものを。あんなに芸事には身を入れていても、根性の卑しさは直らないかと思うと、実際苦々しい気がするのです。………
「若槻はまたこうもいうんだ。あの女はこの半年ばかり、多少ヒステリックにもなっていたのでしょう。一時はほとんど毎日のように、今日限り三味線を持たないとかいっては、子供のように泣いていました。それがまたなぜだと訊ねて見ると、わたしはあの女を好いていない、遊芸を習わせるのもそのためだなぞと、妙な理窟をいい出すのです。そんな時はわたしが何といっても、耳にかける気色さえありません。ただもうわたしは薄情だと、そればかり口惜しそうに繰返すのです。