Japanische Klassiker mit Furigana
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ぼくのぼうしのおはなし
一房の葡萄 他四篇
有島 武郎
Lesen Sie 一房の葡萄 他四篇 (ぼくのぼうしのおはなし) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.712 Zeichen · 39 Bildschirme
、僕のあとから婆やのいる方に駈けていらしった。
「婆や……どうしたの」
お母さんは僕を押しのけて、婆やの側に来てこう仰有った。
「八っちゃんがあなた……碁石でもお呑みになったんでしょうか……」
「お呑みになったんでしょうかもないもんじゃないか」
お母さんの声は怒った時の声だった。そしていきなり婆やからひったくるように八っちゃんを抱き取って、自分が苦しくってたまらないような顔をしながら、ばたばた手足を動かしている八っちゃんをよく見ていらしった。
「象牙のお箸を持って参りましょうか……それで喉を撫でますと……」婆やがそういうかいわぬに、
「刺がささったんじゃあるまいし……兄さんあなた早く行って水を持っていらっしゃい」
と僕の方を御覧になった。婆やはそれを聞くと立上ったが、僕は婆やが八っちゃんをそんなにしたように思ったし、用は僕がいいつかったのだから、婆やの走るのをつき抜て台所に駈けつけた。けれども茶碗を探してそれに水を入れるのは婆やの方が早かった。僕は口惜しくなって婆やにかぶりついた。
「水は僕が持ってくんだい。お母さんは僕に水を……」
「それどころじゃありませんよ」