Japanische Klassiker mit Furigana
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いっぽんのかきのき
一本のかきの木
小川 未明
Lesen Sie 一本のかきの木 (いっぽんのかきのき) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 2.469 Zeichen · 5 Bildschirme
ちょうどそのとき、雪のために餌がなくて、ひもじがっているわしが、このからすを見つけました。
からすは、寒さと疲れに、目を半分閉じていますと、ふいに、空のあちらから、異様の響きがきこえたのです。からすは、この音を聞くと、思わずぞっとしました。よく遠方のかすんで見えない目で、じっとその方を見ますと、たしかに、日ごろからおそれているわしが、自分を目がけて飛んでくることがわかりました。
からすは、命のあらんかぎり逃げようと思いました。しかし、海の方へいっても、また、谷の方へいってもだめだ。これは、村か町の方へゆくにかぎると思いました。なんでも人間のいるところへゆけば、わしは引っ返してしまうだろうと思ったからです。
からすは、里の方をさして、いっしょうけんめいに飛びました。雪まじりの寒い風は、はげしく吹きつけました。翼は破れてしまいました。そして、怖ろしい、大きな羽音は、だんだん迫ってくるような気がいたしました。からすは、もはや、命が助からないものと思いました。しかし、このとき、はるかあちらに、人家のところどころにある村が見えたのです。からすは、悲しそうな声で鳴いて、救いを求めながら村の森へ下りてきました。